藍職人いろいろ45ものがたり　第1話

全国各地の藍染め職人たちと出会い、生まれた「藍職人いろいろ45」。
その土地土地で異なる天候、水、畑、藍の色はもちろん、
職人さんの想いやくせ、すべてが十人十色。
藍職人いろいろ45の製品の魅力を詳しくお伝えします。

「ゴザのような軽さと力強さを感じるデニム生地をつくる」
ゴザデニムのものづくりは、この想いから始まりました。
着目したのは日本の和紙。
繊維が長く絡み合う和紙は、
イグサの質感を表現するのにぴったりな素材でした。
和紙を裂き、きつく撚りをかけて紡いだ糸をざっくりと織り込んだデニムは、
かつてないほど力強く、でこぼこしたデニム生地。

染色は奄美大島の泥藍染め。
藍染めした糸を、島に自生する車輪梅（シャリンバイ）の木の煮汁と
泥田の泥で繰り返し染める手法で、
車輪梅に含まれるタンニンと泥の鉄分が反応することで
深い黒に染まる奄美の古代染色です。
泥染めは糸を漆黒にすることが本来の染め方ですが、
表現したかったのは長く年月を重ねたヴィンテージのようなグラデーション。
作りたい色を思い浮かべながら藍染めと泥染めを繰り返すことで、
泥の中から藍が覗くような、黒く深い藍色が完成しました。