3階は、日本の藍を世界へ発信する「藍の間」です。
日本を代表する木材の檜(ひのき)の柱や垂木(たるき)を組み上げ、
名栗仕上げを施した檜の平台を据え、藍色と白木の檜板を交互に敷き詰めて市松模様の床を描きました。
足を踏み入れると、檜のやわらかな白さと清々しい香りが空間に広がります。
こうした木の素材感を引き立て、空間に豊かな表情を与えているのが、左官の仕事です。
大工が空間の骨格をつくるとすれば、左官はその質感や表情をつくります。
丁寧に塗り込まれた床や壁は、京都で代々培われてきた技術を受け継ぐ、久住左官の職人たちが手がけました。
左官の見どころは、両側に広がる壁面です。太陽の光にきらめく海の水面を思わせる、パール感のある白と藍色のグラデーション。これは凹凸をつけて仕上げた白い漆喰の上から、藍色を吹き付けて表現しています。檜とこの壁が組み合わさり、凛とした清潔感に満ちた空間に仕上がりました。
試着室の壁は、本来土間として用いるセメントのテクスチャーを壁に応用したものです。セメントをそのまま壁に塗るとひび割れが生じてしまうため、石膏でセメントのようなざらついた質感を再現しました。さらにアクセントとして、完全に乾く前の壁に砂利を投げつけて表面に散りばめ、乾燥後にその一部を落とすことで、砂利粒による凹凸感だけを残しています。壁の一面一面に、左官の知恵と技術が生かされています。
部屋の両隅では、小柄な二人の藍職人が藍染めの作業に勤しんでいます。
藍甕(あいがめ)の縁に立つ男の子「藍比古」は、藍の染料に浸した糸の枷(かせ)を棒に巻き付けて固く絞り、
女の子「藍比女」は、染め上がった糸を竹棒に掛けて干している様子。
藍比古の足元にある藍甕には、ぷくぷくと発酵して藍の華を咲かせた藍が甕いっぱいに満ちています。
この二人を制作したのは、奈良県の公式キャラクター・せんとくんの生みの親としても知られる彫刻家・薮内佐斗司さん。
Badou-Rにいる「バド坊」も、薮内さんによる作品です。

藍比古(あいひこ)

藍比女(あいひめ)
3階は、「藍職人いろいろ45」を取り揃える場所。
日本の藍を世界へ伝えるため、檜や市松模様といった伝統的な木材や柄を取り入れました。
心地よい緊張感と澄み渡る檜の香りに包まれた空間に、
津々浦々の土地に根ざした職人によって染め上げられる藍の服が並びます。
これまで藍職人の服をご覧になったことがある方も、
この空間を通してご覧いただくことで、きっと新たな魅力を見つけていただけると思います。