ジーパン

1991年、ジーパンといえばアメリカ製か、大手メーカーがつくったものしかない時代。
まだまだ歴史の浅いブランドのわたしたちが一から(それも糸から!)ジーパンを創るのは普通ではありえない事でした。
しかし、45Rにとってジーパンとは、毎日の食卓に欠かせない主食のようなもの。
着こなしの土台です。絶対に自分たちの手でジーパンを創りたかったのです。

まずは原料。Tシャツと同じジンバブエコットンです。ハリとコシがあってドライタッチな風合い、そして繊維の長さと力強さは他の綿花にはないもの。わたしたちが目指すジーパンにうってつけの原料でした。
糸は特製の機械でムラのある糸を紡いでいきます。ジーパンづくりを始めたばかりの頃、これがいい!と、思った糸は6.5番というジーパンとしては極太の糸。本来太さを表す糸番手に0.5はありません。しかし、わたしたちの糸は太さにムラがあります。太いところは6番くらい、細いところは7番くらい、なので間をとって6.5番ということにしました。この極太のムラ糸が味のある、色落ちのコントラストをもたらします。
糸が出来たらその糸をインディゴで染めていきます。インディゴの糸を染めるのはロープ染色。ロープ状にした糸を染料に浸けては酸化させるという工程を約16回繰り返します。これだけ染め重ねなければ、目指している深いインディゴの色合いには染まりません。

インディゴの染料ももちろんオリジナル。
藍染めの長い歴史がある日本に生まれたわたしたちにしか創れない色を開発してきました。
納戸、墨納戸、かちん、群青、、、
それが今や33色!
愚直に、長年インディゴを研究してきた結果です。

織るのは日本に数台しかない重力織機。ゆるいテンションでゆ〜っくりと生地を織る事でジーパンにざっくり凸凹感が生まれます。45Rのジーパンがペタッとしていないのはこのおかげ。経年変化も色の濃淡がはっきり出ます。ジーパンを折り返した時に見えるセルビッチもこの織機で織った生地にしかつかないものです。

そして縫製。一本のジーパンを縫うのに使う糸は6種類!
ポケット、前立て、ヨーク、ウエストベルト、太さや色だけでなく、運針の強さまで変えながら大切なジーパンの表情を描くように縫い上げます。
ジーパンの色落ちに馴染むように自然に褪せていきます。

馬革のソーバーやRの刻印が入ったタックボタンももちろん特注です。
ソーバーはひとつひとつ、手作業で焼き印を入れるので、全く同じ表情のものはひとつもありません。四つ角を全て落とし、コバも丁寧に塗って仕上げます。

そうして完成したジーパンはざ〜っくり、凸凹感があって、穿いてみると、軽い。
穿いて、洗って、を繰り返していくと濃淡のはっきりとした力強い色落ちになります。
自分のクセや生活が表れるのも大事な味付け。
ご自身でジーパンを一から育てた事がない方は、是非45Rのジーパンで一度試してみるのをおすすめします。
穿いていくのが楽しくなるように創っています。

ジーパンづくりの歴史も30年。
生地を一から創り出し、改良を繰り返し、
試行錯誤を重ねてきました。

わたしたちのジーパンは未完成です。
それで良いと思っています。
さらに良いものを目指して、
ものづくりへの挑戦を続けていきます。