デニム百景
45R

品質への信念〜Fox Brothersと45R〜

Fox Brothers CEO:Douglas Cordeaux
1772年、イングランド南西部サマセット州ウェリントンで創業した
Fox Brothers & Co Ltd(フォックスブラザーズ)は、
フランネル生地の生みの親として広く知られるテキスタイルメーカー。
約10年前から一部のウール製品において、45Rと共にものづくりをしています。

  • ダグラス・コルドー氏

45Rとの出会いについて

「私が45Rを知ったのは20年以上前、ニューヨークに住んでいたときのことです。
45Rのお店を見つけてデニムを購入しました。
手仕事や藍インディゴの匂い、打ち水によって清められた店内の石畳、
そして服に込められた深い哲学、
お店の中がまるで劇場のように感じられて、強く心を打たれました。
その頃ニューヨーク店で購入した服は、今でも全て大切にしています。」

  • コルドー氏のデニム

  • コルドー氏のデニム

デニムはそれから穴が開くまで穿き続け、現在満足工房でお直し中ということ。
一枚一枚の服に対するコルドー氏の誠実な姿勢を感じました。

「私は品質とは何かを理解しています。
残念なことに、ラグジュアリーという言葉をただ高価なものと誤解している方が多いですが、
私はラグジュアリーとは本当に価値がある品質だと考えています。」

「今日はBadou-R本店で、自分の分と18歳の息子へのプレゼントとしてデニムを2本購入しました。
彼にとっても、ものづくりや品質を学ぶ良い機会になってほしいです。
45Rの精神を伝えるのにぴったりなプレゼントだと思いました。」

着こなしについて

コルドー氏のインスタグラムを覗くと、彼が着用しているのは全てブリティッシュスタイルのスーツ。
この日の東京は35℃に迫る猛暑でしたが、
コルドー氏は白のチーフを差したネイビーのダブルスーツを爽やかに着こなしていました。
デニムはいつ穿かれているのでしょうか?

「40歳を過ぎた頃から、平日はスーツしか着ないことにしました(笑)。
なので、休日にデニムを穿いています。
冬にデニムを穿くときは、Fox Brothers のユーティリティジャケットやシャンブレーのシャツ、
足元にはパラブーツを合わせることが多いですね。」

「もしフォーマルになりすぎたくないときは、
45Rのデニムにネイビーのホップサック生地のジャケット、
白かシャンブレーのシャツ、そしてコードヴァンの靴の組み合わせは
私が最も恰好いいと思う着こなしのひとつです。」

※コルドー氏のインスタグラムはこちら

45RとFox Brothersについて

「私はずっと、45Rの舞台裏を知りたいという思いがあり、
理解していくほどにその魅力が増しています。
45Rの哲学や細部にかけるこだわりは他に類を見ないほど素晴らしいものです。」

「私がデニムに興味を持った頃、質の高いデニムをつくっているメーカーはほとんどありませんでした。
今では日本製の良いデニムが数多くつくられていますが、私にとって45Rがその先駆者です。」

以前45RのチームがイギリスのFOX BROTHERS社を訪れた際、
コルドー氏が着ていたグレンチェックのスーツは、
なんと擦り切れて開いた穴をツギハギでお直しされていました。
それは擦り切れたデニムを直しながら大切に穿く姿勢と同じ。

そしてインタビューの最後にコルドー氏は語ってくれました。
「たとえ高価な服でなくとも、一度か二度着ただけで
捨ててしまうという考え方は決して良いコンセプトではありません。」

彼の服と向き合う姿勢、そして品質への信念は、45Rと深く共鳴するもの。
ひと針ひと針のステッチワーク、そしてお直しに至るまで
細やかな気配りと丁寧な仕事が本物の品質と価値を生み出すのです。