デニム百景
45R

デニムへの想いが詰まった1冊のノート

デニムの新作が出ると必ず購入する。持っているデニムは70本以上。
初代デニムマスターの異名を持つ社内無類のデニム好き、
あっぱれ部の後藤健太(ごとうけんた)さんに話を伺いました。

 (デニムとの出会いについて)
いつ頃からデニムに興味を持ったのですか?

「父の影響もあり、物心がつく前からデニムを穿いていました。」

初めて自分で買ったデニムは、ヴィンテージデニム復刻の501xx。
当時はデニムの知識がなく、洗濯による縮みや斜行に驚いて
購入した店舗にあわてて持ち込んだそうです。

(45Rとの出会いについて)

「上京後、明治通り沿いのお店に一本のデニムが飾られていて。
あまりのかっこよさに目を奪われ店内を覗くと、
白いシャツがずら〜っとラックにかけられており圧巻でした。
何度も通ううちに、デニムが欲しい、から、
45Rで働きたい、に変わっていきました。」


ディスプレイに衝撃を受けたという、45Rとの出会いを語ってくれた後藤さん。
好きなものに囲まれて働きたいというまっすぐな想いが伝わりました。

(ノートについて)
20年以上使い込まれた1冊のノート。
そこには、素材や糸、染色といったデニムにまつわる知識から素朴な質問まで、
デニムについてびっしり書き留めてありました。

「入社3年後に店長を任されて、週1回南青山の本社に行く機会があって。
毎週、親方(45R社長)と保美さん(45Rデザイナー)を呼び止めては、
1年間に渡り質問を繰り返していましたね。」

初代デニムマスターに選ばれた後、研修の一環でデニムを1から仕立て、
加工や洗いについて学ぶ貴重な機会があったとのこと。
ノートの中に何故デニムを作るのか?という質問が書かれており、
答えの1番上に「愛情」と書かれていました。

「当時は意味がよくわからなかったけど、
20年経った今、ようやく理解できるようになりました。」


【親が子を想いながら繕った肘あてや服のほころびなど、
『愛情』から生まれた仕様(=デザイン)はとてつもなく美しい】
と以前親方が話しているのを聞き、答えの意味が理解できたそうです。

(お気に入りのデニムスタイルについて)

「当時はこのデニムと同じ、納戸納戸のデニムシャツをずっと着ていましたね。」

いちばんのお気に入りのデニムは、入社した2003年に購入の
表も裏も納戸色のインディゴ糸で織った納戸納戸のデニム。
20年以上前のデニムとは思えないくらい大切に穿きこまれ、とても綺麗な状態でした。

(リペアについて)

「当時29インチのデニムを穿いていたのですが、
体形が変わっても穿きたいなと思って、
満足工房にウエスト出しとちょい足し加工をしてもらいました。」

※こちらのデニムは満足工房ページにも掲載しています

最後に着こなしのこだわりを伺うと、
白シャツとデニムというシンプルな答えが返ってきました。
逃げも隠れもできないスタイルだからこそ、
年齢を重ね、かっこよく着こなせる自分でありたいと語ってくれました。