45Rのお店にいらしている方には「祭」をご存じの方も多いと思います。
血を滾(たぎ)らせ、全員一丸となって取り組む祭はわたしたちの伝統行事。
そして、デニム祭のシンボルとなるのが三種の神器です。
まずは「提灯(ちょうちん)」。
朱色の明かりをぼんやりと灯す提灯は、45Rのロゴと金色の日の丸が描かれた特製のもの。
「銀朱(ぎんしゅ)」といわれる黄みがかった朱色は、太陽の色、血の色、生命のはじまりの色として、昔から大切にされてきた最古の赤色です。
出来合いの朱色の和紙を貼るのではなく、銀朱の朱墨を磨った赤い墨汁に筆を浸し、提灯に色付けした工程も大切なこだわり。まるで水墨画のような濃淡のある提灯は、ゆらゆらと祭を照らし、気分を高めます。
次に「暖簾(のれん)」。
「からむし」といわれる希少な麻の一種を原料にした生地は、畑に苗を植え付け、育て、摘み取り、糸を紡いで織り上げるところまで一年がかりです。
その生地を、同じように大切に育てられた藍で繰り返し染め上げ、驚くほど軽くしなやかで、深く鮮やかな色合いの暖簾ができあがります。45R自慢の暖簾はもちろん、年月を重ねるごとに美しく色褪せていきます。
最後に「福郎(ふくろう)」。
45Rの祭り部隊“祭り野郎”の「郎」と、幸福の「福」から名付けられました。
手のひらサイズの福郎は目立つことはないものの、いつも祭を見守ってくれる大切な神様。わたしたちの祭にいらした際は、どこかにじっと佇む福郎をぜひ探してみてください。チカチカと目を小さく光らせながら、祭の様子を見守っているはずです。
これで三種の神器がそろいました。
さあ、デニム祭がはじまります!
私が45Rを知ったのは20年以上前、ニューヨークに住んでいたときのことです。45Rのお店を見つけてデニムを購入しました。お香や藍インディゴの匂い、打ち水によって清められた店内の石畳、そして手による仕事を施された服への哲学、お店の中がまるで劇場のように感じられて、強く心を打たれました。
服の裏や後ろを大切にしているわたしたちは、仕様に想いを込めています。中でも、後ろのセンターベルトループは特別です。
ユニークな名前が付けられた45Rのデニム素材。厚いものから薄くて軽いものまで、幅広くオリジナルデニムを取り揃えています。
お気に入りのポイントは、他にはないトーン。ロールアップしても裏までしっかり濃色なところ、色の落ち方、ベルトがなくてもヒップでキープされるシルエット。スタイリングによって使い分けられて毎日穿けるデニムです。
わっしょい!わっしょい!日本の祭の衣装といえば、法被。わたしたちの法被は10年以上前にBadou-R本店で「祭」をはじめたとき、祭を盛り上げる祭り野郎の晴れ着としてあつらえたものです。
その頃はワンピースばかり着ていてデニムの接客が苦手でしたが、だんだんとデニムやメンズライクな着こなしにチャレンジするようになりました。
デニム祭でより多くのお客さまにわたしたちの想いを届けるため、瓦版の発行が決まりました。
大胆に施されたパッチワークや華やかに描かれた刺繍とスタッズは思わず見惚れてしまうほど。デニム祭にて限定販売する遖加工デニムを紹介します。
神様にお参りする姿や、畳に正座をする凛とした姿。日本の景色に馴染むソーバーを創ることは、第二章のはじまりとともに向き合ってきた1つの課題でした。
デニムの新作が出ると必ず購入する。持っているデニムは70本以上。初代デニムマスターの異名を持つ社内無類のデニム好き、あっぱれ部の後藤健太(ごとうけんた)さんに話を伺いました。
ブルルルルルルッ、ブルルルルルッと、針を動かすミシンの音が、お店の奥から聞こえてきます。
わたしたちのホワイトデニムは温かみを感じる素朴な白、夏服とも冬服とも相性が良く、着まわしのきくオフホワイトです。
「Rの刺繍が大好きです」あるお客さまがわたしたちに下さった大切な言葉です。
デニム第二章のはじまりに、5種類のかたちを揃えました。
「墨に五彩(ごさい)あり」という言葉があります。墨だけで描く水墨画では、書道の墨汁のように濃い色から水のように薄い色まで、墨の濃さによって色彩を表現します。
デニムは基本よく洗います、茶色くなるのは嫌なので。買ってから3か月だけはヒゲをつけるために洗わずに穿き込みますが、それからは1回穿いたら洗います。
たくさん穿いて歩いたデニムは、穴があいたり、裾やポケット口が擦れたり。長く付き合ったデニムは、ウエストが少しきつくなったり。
45Rのデニム創りに欠かせない重力織機。日本で現在稼働しているのは数台のみ、世界的にも注目されるとても貴重な旧式織機です。