デニム祭でより多くのお客さまにわたしたちの想いを届けるため、瓦版の発行が決まりました。
45周年のフォトブック『45有』でも使用した活版印刷で作りたいと、プロジェクトを進めてきました。
今回の瓦版では、江戸時代の木版印刷を参考に、ドイツの印刷機を使った凸版多色刷りを使用しています。
17〜18世紀に隆盛を極めた江戸時代の木版印刷技術は、西洋でも同様に金属板を使った活版印刷として広がっていきました。
まさに東西の印刷文化のクロスオーバーです。
少し大きめのB4サイズで活版印刷できる工房を探し、たどり着いた大阪にある印刷工房。職人の安部さんが出迎えてくれました。ピカピカに磨きあげられた重厚な印刷機たちが、今なお現役で稼働している工房です。
色ごとに凸版を配置し、ローラーを綺麗に拭きあげて、インキをセットしていきます。デニム祭りのロゴは特色の藍色でプレス。
湿度で紙は伸縮する為、刷り具合や色味、版ズレなどのこまめなチェックは欠かせません。嵩高(かさだか)の紙へ、すっと染み込んだ藍色がとても美しいのです。
「今日は静電気が多く出ているからね」紙送りが少しでも滞ると、サッと印刷機を止め、調整し再開させる安部さん。この重厚な機械を軽やかに操る職人の姿がありました。
ぜひ、瓦版を手にとって触ってみてください。
撫でるように触ると、硬い凸版で乗せた色の立体感が伝わるはずです。
デニム祭の会場はもちろんのこと、その期間中は全国のお店で瓦版を配ります。
皆さまにお届けできることを楽しみにしています。
私が45Rを知ったのは20年以上前、ニューヨークに住んでいたときのことです。45Rのお店を見つけてデニムを購入しました。お香や藍インディゴの匂い、打ち水によって清められた店内の石畳、そして手による仕事を施された服への哲学、お店の中がまるで劇場のように感じられて、強く心を打たれました。
服の裏や後ろを大切にしているわたしたちは、仕様に想いを込めています。中でも、後ろのセンターベルトループは特別です。
ユニークな名前が付けられた45Rのデニム素材。厚いものから薄くて軽いものまで、幅広くオリジナルデニムを取り揃えています。
お気に入りのポイントは、他にはないトーン。ロールアップしても裏までしっかり濃色なところ、色の落ち方、ベルトがなくてもヒップでキープされるシルエット。スタイリングによって使い分けられて毎日穿けるデニムです。
わっしょい!わっしょい!日本の祭の衣装といえば、法被。わたしたちの法被は10年以上前にBadou-R本店で「祭」をはじめたとき、祭を盛り上げる祭り野郎の晴れ着としてあつらえたものです。
その頃はワンピースばかり着ていてデニムの接客が苦手でしたが、だんだんとデニムやメンズライクな着こなしにチャレンジするようになりました。
大胆に施されたパッチワークや華やかに描かれた刺繍とスタッズは思わず見惚れてしまうほど。デニム祭にて限定販売する遖加工デニムを紹介します。
神様にお参りする姿や、畳に正座をする凛とした姿。日本の景色に馴染むソーバーを創ることは、第二章のはじまりとともに向き合ってきた1つの課題でした。
デニムの新作が出ると必ず購入する。持っているデニムは70本以上。初代デニムマスターの異名を持つ社内無類のデニム好き、あっぱれ部の後藤健太(ごとうけんた)さんに話を伺いました。
ブルルルルルルッ、ブルルルルルッと、針を動かすミシンの音が、お店の奥から聞こえてきます。
わたしたちのホワイトデニムは温かみを感じる素朴な白、夏服とも冬服とも相性が良く、着まわしのきくオフホワイトです。
「Rの刺繍が大好きです」あるお客さまがわたしたちに下さった大切な言葉です。
45Rのお店にいらしている方には「祭」をご存じの方も多いと思います。血を滾(たぎ)らせ、全員一丸となって取り組む祭はわたしたちの伝統行事。そして、デニム祭のシンボルとなるのが三種の神器です。
デニム第二章のはじまりに、5種類のかたちを揃えました。
「墨に五彩(ごさい)あり」という言葉があります。墨だけで描く水墨画では、書道の墨汁のように濃い色から水のように薄い色まで、墨の濃さによって色彩を表現します。
デニムは基本よく洗います、茶色くなるのは嫌なので。買ってから3か月だけはヒゲをつけるために洗わずに穿き込みますが、それからは1回穿いたら洗います。
たくさん穿いて歩いたデニムは、穴があいたり、裾やポケット口が擦れたり。長く付き合ったデニムは、ウエストが少しきつくなったり。
45Rのデニム創りに欠かせない重力織機。日本で現在稼働しているのは数台のみ、世界的にも注目されるとても貴重な旧式織機です。