日々、素材やかたちと真剣に向き合いながらものづくりを続ける、
45Rの服のつくり手たち。
「ものづくりの寺子屋」では、ものづくりに携わる人たちを師匠として、
服に込められた想いや背景を紐解いていきます。
第3話もニット・カットソー・BOYSのリーダーを務める
ころも企画室・菅原徳央を師匠として、
「超ガーゼ」について教えてもらいました。
なめらかでとても気持ち良い「超ガーゼ」は、
どのような原料を使っているのでしょうか?
「原料のスーピマオーガニックは、希少なオーガニックコットンの『超長綿』で、
世界中の綿花の50万分の1ほどの生産量しかなく、なんと今年の生産量は“0”です。
服屋でこの原料を使っているのは45Rだけで、
他では日本のタオル屋さんで使っていると聞いたことがありますね。
気持ちよさの一番の理由は、繊維の中の空洞が潰れていないことです。
素材が温度や湿度を調整してくれるので、この心地よさが生まれます。
特にオーガニックにこだわって原料を探していたわけではありませんが、
気持ちよくて気に入った原料が、たまたまオーガニックだったのです」
その希少なスーピマオーガニックコットンは、
どのような場所で育てられているのでしょうか?
「アメリカ南部のニューメキシコ州にある農場でつくられています。
オーガニックで綿花を育てるには、
・朝晩の寒暖の差があって虫が少ない
・灌漑があって、収穫の時期に雨が降らない
・冬に霜が降りて、枯葉剤を使わなくても葉が枯れる
という条件をすべて満たす環境が必要です。
農薬を使わないので自然の草花も一緒に生えてきますが、
それを取り除く作業はすべて人の手で行われているそうです」
45Rの定番アイテムとしておなじみの超ガーゼだと思いますが、
生まれたときのエピソードを教えてください。
「昔の天竺素材は、ぎゅっと目を詰めた『度詰天竺』と、
ガーゼのように柔らかい『度甘天竺』の2種類しかありませんでしたが、
そこからどんどん表現が広がっていって、超ガーゼが生まれました。
一番はじめは、ジンバブエコットンを使ったカットソーだったのですが、
そこからスビンコットンのニットソーになり、
スーピマオーガニックのニットへと進化して、
『コットンのカシミヤ』と言えるような肌触りにたどり着きました」
「つくりはじめたときは『Tシャツ』としてつくっていたので、
天竺のTシャツと同じように裁断してミシンで縫製してあります。
当時は細々とつくっていて、定番といえるほどではなかったのですが、
2000年にオープンしたニューヨークのお店で好評になり、
日本のお客様にも定着していった記憶があります」
希少な原料を使い、愛され続けている超ガーゼですが、
今後はどのように進化させていきたいですか?
「色の出し方をさらに追求していきたいですね。
毎月のテーマに合わせて、超ガーゼなど合わせるアイテムの色を決めていくのですが、
店頭にすべての服が並んだときの美しさを想像しながら色出しをしています」
「ひとつひとつの色については、トップ糸の『ツイード感』を大切に表現しています。
シェットランドウールのように、自然の景色をそのまま切り取ったような
奥行きのあるトップ糸を目指して、色の配合を常に研究しています。
超ガーゼに限った話ではありませんが、
ここまでトップ染めを追求してさまざまな色をつくっているブランドはないと思います。
普通はトップといえばグレーだけなので」
「ただし、これからもつくり続けていく中で一番ネックになる問題は、
間違いなく『原料』ですね。
スーピマオーガニックが手に入らなくなったら、同じものはつくることができません。
この環境をいつまで保てるか分からないのが現実です」
「そして男性の皆さまにもぜひ着ていただきたいですね。
僕は普段から、藍やインディゴの超ガーゼを着ています。
超ガーゼを重ねて着ても本当に気持ちいいですよ」
豊かな自然の恵みと、大切に育ててくれている生産者の方々が、
超ガーゼの心地よさを紡いでくれているのだと、改めて実感しました。
そう思うと、一着ごとのありがたみがぐっと増してきます。
まずは、菅原師匠を真似てインディゴの超ガーゼを手に入れようと思いました。
次回の手習いは、シェットランドウールについてのお話。
45Rの冬がやってきます。
ぜひ、お楽しみに。